1.ゲージ・マニホルドセット
「ゲージ・マニホルド」とは何かというと、エアコンの真空引きや・ガス充填時に使用する。ホースとメーター・ガスコックが一緒になったものです。
購入するうえで一番失敗するのがこれではないでしょうか。
(私も失敗しちゃいました(;^_^A)
何を失敗するかと言うと
使用する冷媒ガスと種類の違う、セットを買ってしまう!
と言う失敗。
今DIY志願の皆さんのお手元に届くルームエアコンのほとんど100%に使用されている冷媒ガスは「R32」です。
その「R32」が使用されているエアコンの「室外機」のコック(三方弁)のねじと、私の様に失敗購入した「ゲージ・マニホルド」の接続部分のねじ径が約1mm違っていて接続できないんです。
当然真空引き出来ません。
・「R32」のねじ規格は5/16フレア
・誤購入の「ゲージ・マニホルド」のねじ規格は1/4フレア
なんです。(ねじ規格はかなり奥が深いので立ち入らない方がいいです)
ですから「ゲージ・マニホルド」を購入する際は
間違いなく「R32」に対応している事を確認して購入してください。
誤購入のゲージ・マニホルドセットねじ口径が全て1/4
これから買うならポンプ付きだしこれかな
下記なら5/16メスのムシ押し付きホースが最初からついています。(ムシ押しを回して突出させてやる必要あり。だそうですが)
1-2.失敗購入した時の対応策
もし私の様に失敗購入してしまった人でも対応策がありますのでご紹介します。
下記のような変換アダプタをカマせば良いのですがまたぞろ購入して失敗するアイテムもありますので、併せてご紹介します。
a.異形アダプタ ✖
ただ単にねじの口径を変換する異形アダプタと言うのがあります。1/4 F オス × 5/16 F メス(室外機本体側)で接続口径が変換出来ます。が室外機の吸引口には「ムシ」と呼ばれる逆止め弁が付いています(車やバイクなどのタイヤの給気口についているものと同じ原理)。真空引きするときは、この「ムシ」を押し込んだ状態で作業する必要があるのでこれでは「ムシ押さえ」が無く使えませんねぇ その他の使い方をする場合もありますので一概には言えませんが….。 なので✖
b.アクセスコントロールバルブ 〇
アクセスコントロールバルブとかチャージバルブと言って1/4 F オス × 5/16 F メスの仕様なら接続口径が変換出来ます。つまみ部分を回して「ムシ」を押し込む事で、気体のON-OFFが出来ます。真空引きの時に使えます。ただ構造上、流量の微調整は苦手です、ガス充填時には急激にガスが抜けたり、入ったりし易いです。結果凍結して冷媒漏れが起こったりします。 なので 〇
c.ボールバルブ 買うならこれ ◎
ボールバルブと言って1/4 F オス × 5/16 F メスの仕様なら接続口径が変換出来ます。気体の流量を調整しながら充填したり、ON-OFFも出来ます。ガス充填時にも使用できます。 なので ◎
2.真空ポンプ
真空ポンプについては「-0.1Mpa」まで配管内の空気・水蒸気を吸引できればいいだけなので毎分60L/Minでも30L/Minでも2ステージ・1ステージでもプロではないのであまり関係無いです。ただポンプ単体でも結構お高くて6~7千円しますから。マニホールドセットと一緒に買うのがいいと思います。またポンプ本体の吸引口が5/16と1/4の両方ついているのは何かと安心感があります。
お金にゆとりがあってコンパクトにスマートにという方はゲージを直付けしたりする時に縦付け横付けが選べるのでいいかもしれません。
3.トルクレンチ
トルクレンチはエアコンの室内機・室外機を配管接続する際にフレアナットを適切なトルクで締め付けるための計量動作(指定トルクに達するとコッキンと首が曲がって教えてくれる)するスパナです。
締め付けが強すぎるとフレア部裂断。逆に弱すぎるとガス漏れしてしまう。
そのためにこれを使って誰がやっても一定の締め付けができる様に考えられたものですが、エアコン用はコンパクトなせいかどれもお高いです。あまりにも高価なので1度は一式レンタルにしたほどです。
このトルクレンチを使って実際どの部分を締め付けるかと言うと。下画像の「A」と「B」がフレアナットと呼ばれるナットです。室内配管と気密性を保って接続されなければならないので、この二つのナットは是非指定範囲内のトルクで締め付けてください。
フレアナット「A」が17のレンチで14~18Nmで締め付けます。
フレアナット「B」が22のレンチで34~42Nmで締め付けます。
(6.3Kw以上の高出力エアコンで「B」は26のレンチで50~55Nmで締め付け)
実際締め付けてみると、私の場合締め付ける手がプルプル震えるくらい強い締め具合です。
C~Eの弁ぶたキャップは17のレンチに合うものは14~17Nm、22のレンチにに合うものは21~27Nmで締め付けるのが作法ですが、「緩まないようにきつく締める」と言う程度でOKです。
あと、
フレア配管と受け側のテーパー部は一直線になるように配置してから締め付けるようにしましょう。
また、
フレア配管のテーパー部に漏れ止め剤を塗る方もおられるようですが、それがネジ部に着いてしまうと締め付けトルク値に誤差(滑りやすくなってしまう)が出てしまいますので注意します。
4.六角レンチ
4mmが一本あればいいだけですが、一般的な工具で、そこそこ安いのでついつい買ってしまいます。左画像手前はインチサイズ。中には半端モンもあります。左画像の一番奥にピカピカと光っている、A〇troProducts製の物です。レンチのL型の方が六角穴に入りません。ボールポイントの側は正常に入りますので加工精度の問題ですね。5mmのレンチの寸法を測ってみました。計測値は5.11~5.12mmでした。試しに日本製EIGHTの計測値は4.99~5.00mmでした。サクッと入ってグラグラしないのがいいです。半端モンの工具で作業すると六角穴を壊します。
5.パイプカッター
パイプカッターは、あとちょっと冷媒配管を短くしたいという時などに使います。比較的廉価で他にステンレス管や塩ビ管もきれいに切断できますので是非一つ購入しておきたいですね。私の購入したものは三角形のバリ取りチップを回すと中に予備の切断ローラーが入っていました。時々切断作業中に斜めの力がかかるとローラーの刃が欠ける事がありますので、回転方向だけに素直に回してやるように気をつけます。あと切断ローラーの向かい側のガイドローラーがスムーズに回らないと斜めにすじが入ったり(脱線する)しますから時々潤滑スプレーなどをかけてよく回転する様にして使いましょう。また、あまり一気に切り込みを深くし過ぎず少しずつ切り込んでは何度も回す方が綺麗に切れます。慣れが肝心。
6.フレアー工具
フレアー工具は先ほどのパイプカッターで切断した冷媒配管の端をトランペットの先の様(フレア)に加工する工具です。エアコン設置DIY以外ではほとんど使わない工具だと思います。プロの使うものは1日何十回もフレア作業をして腱鞘炎になったりしないように手回し部分を電動ドリルの動力を使ったり、レバーを大きくしたりして省力化したもので、原理は全て同じです。その為きちんとした加工が出来る工具であればちょっと時間はかかっても廉価なもので十分です。エアコンのフレア加工に必要な各種の管径に対応しています。
7.計量はかり
冷媒が完全に抜けてしまっていて、新規に冷媒充填する時などには「計量はかり」が必要になります。エアコンの設置説明書にはどんな種類の冷媒がどれだけの量封入されているか必ず記載されています。
どれだけの冷媒をチャージするするか「計量はかり」に冷媒のボンベを載せて時々刻々、既定量減るまでチェックする必要があります。
ここで問題になるのがデジタルはかりの「オートパワーオフ機能」
結構な時間をかけてチャージしている最中に「計量はかり」の電源が落ちると何グラム充填したか判らなくなってしまうんです。
ですから「オートパワーオフ機能」を「オフ」に出来る「計量はかり」が必要です。旅行カバンの重量を測る小型のデジタルはかり「オートパワーオフ機能付き」を使って冷媒チャージをやってみました(充填前の冷媒ボンベの重量を計測しておき、時々はかりの電源を入れ再計測する)が、面倒で不正確で自信が持てない感じになってしまいました。
8.工具一式レンタルを使う手もある
ここまで来て何?と思われるかもしれませんが、ヤフオクなどで「工具一式レンタル」を使う手もあります。実は私も1度使ったことがあります。親切な真空引きの手順を記述した説明書も付いてきます。その当時は1500円+送料でしたが、現在はちょっと値上がりしているようです。シーズンによって違うのか3千円~5千円+送料(往復3千円程度)が相場です。更に充填ガスもセットになったものもあります。将来的に、今回限りDIY取り付けと言う事であれば、こちらが廉価かもしれません。
私の場合、品物を借りてという感覚と返送の手間や時間に迫られて作業するのがどうも性に合わなかったので結局一式そろえてしまいました。複数台日数をかけて取り付けたり、移設・廃棄DIYの予定があれば自分でそろえた方が良いと思います。ただトルクレンチだけは無駄にお高いですよねぇ、プロの方はトルクレンチを持っていても特段使わず、感覚で締め付け作業している方もいる様です。締め付け時のプルプル感覚を体験してしまえば無くてもいいような感じもします。