ポケットホールジグとは
「超大判ホビーデスク」を作った際、定尺物の集成材を更に大きくするために板を継ぐ作業がありました。材が交差していてコーススレッドなどで確実に止める事が出来る場合は良いのですが、水平に板を継いだり椅子などのねじ穴をダボ無しでネジ止めしたりする時には平行に近い斜めに穴を空けてそこから接続したい板に向けてねじ留めをしなくてはならない場合があります。この時に開ける斜め穴をポケット穴と呼んでいるようです。
「超大判ホビーデスク」にはタイミングが合わず使えませんでしたが「ポケットホールジグ」という市販品があってこれを使うとポケット穴が安定してあけられることを知りましたのでご紹介します。
廃材でテストしてみる
15度の穴が空くらしい
付属の六角レンチはサイズ違い
実際締めてみると反対側が
ばらつき無く穴あけできたが
使ってみた感想は
実際に廃材で試したのち長尺廃材をポケット穴+接着剤で継いでみました。
結論として適切に穴あけできましたが問題もありました。
この商品のパッケージはアメリカ輸出用の中国製です。
1.そのせいかどうかわかりませんがドリルの穴あけ深さを制限する六角レンチの寸法が違っていました。スカスカで回せませんでした。
(何故かスター型のレンチが付いてきましたが何に使うのだろうか)
2.本体が樹脂製の為、木工用バイスで締め付けるとドリルの侵入口側部が浮いてしまいました。これではドリル進入角度が変わったり治具自体が不安定になります。
3.治具のドリル入り口穴がドリルによって少しずつ削れていっている様です。これは本体が樹脂製でドリル入り口付近だけアルミのリング状の部品を使っているためドリル刃に引っかかって削れ易くなっているのではないかと思われます。
4.付属の二段ドリルですが先端部分のドリル径が4.2mmとかなり太いです。これに合った木ねじはかなり太い物でないとありません。ちなみに通常のコーススレッドの芯径は2mmです。これをこのドリルで開けた穴にねじ込んでもガバガバで全くききません。
5.これは自分が1種類のドリル径対応の治具を買ってしまったのが原因ですが、別サイズのドリルを使用できない点は失敗でした。この治具だと直径10mmの穴しかあけられません。ドリルを変えようにも治具の穴径が10mmなので無理なんです。
6.この治具でポケット穴を空けた後、その先の穴(接合する相手側の穴)を空けるためのロングドリルが必要になります。
ベストの使い方は
上述の問題を解決するにはどうすればよいか考えてみました。
1.六角レンチの寸法違い → 自分所蔵のレンチを使う
2.ドリルの侵入口側部が浮く → 金属製でもう少し剛性のあるタイプを買う。
3.治具のドリル入り口がドリルによって少しずつ削れる。 → 予備のスリーブが付いたものを買う。4.二段ドリルの先端部分のドリル径が太い → 付属のドリルを使わず通常の鉄鋼・竹用ドリルを使う。
5.別サイズのドリルを使用できない → 別サイズが使えるタイプを買う。
(別サイズが使えるタイプでも治具のガイドホール径は変わらないのでドリルがたわみます)
6.接合する相手側の穴を空ける必要性 → ロングドリルを別途購入してポケット穴作成後再度穴あけする。
※加えてポケット接合に合ったコーススレッドを使った方が密着させる能力が上がる事が判りました。
何が違うかと言えばねじの頭の裏の形状です。通常タイプはテーパー構造なので材に入り込んでいくようになっています。
専用タイプ?は裏が平坦でポケット穴内部のねじ穴壁を押さえてくれる構造になっています。
何事も奥が深いです。